일문목차
まえがき=iii
第I部 「河野談話」と「慰安婦」制度の真相究明―何がどこまでわかったのか?
1. 「河野談話」をどう考えるか―その意義と問題点 / 吉見義明=2
はじめに=2
(1) 軍慰安所での強制が最大の問題=3
(2) 軍·官憲による暴行·脅迫を用いた連行はなかったか=7
(3) 朝鮮·臺湾では強制連行はなかったか=12
(4) 日本軍「慰安婦」問題を起こした主役は誰か=16
(5) 強制の定義について=19
(6) 問題解決と「河野談話」=20
2. 被害者証言に見る「慰安婦」連行の強制性 / 西野瑠美子=23
(1) 「強制連行」の概念=24
(2) 被害者の証言に見る連行の状況=27
おわりに=39
〔コラム〕 中国山西省·盂県に見る性暴力被害の強制性 / 池田恵理子=43
3. 「慰安婦」問題と公娼制度 / 小野沢あかね=47
(1) 「慰安婦」=公娼論の誤謬 "THE FACTS"の論理=47
(2) 公娼制度とは何か=49
(3) 藝妓·娼妓·酌婦からの「慰安婦」徴集の事例=52
(4) 婦女売買禁止の国際的潮流のなかの日本の公娼制度―日本政府の誰弁と裏工作=55
(5) 「自由意思」によって不可視にされる強制=59
〔コラム〕 「慰安婦」誘拐犯罪―静岡事件判決 / 前田朗=63
第II部 日本政府の法的責任―なぜ「国民基金」は解決に失敗したのか?
1. 「国民基金」の失敗―日本政府の法的責任と植民地主義 / 金富子=68
はじめに=68
(1) 「国民基金」とは何だったのか―「国家賠償」の誤解を呼んだ「償い金」の紛らわしさ=70
(2) 韓国政府, 国際社会は「国民基金」をどう評価したか=74
(3) 被害者にとって「国民基金」は何だったのか=75
(4) 「国民基金」評価をめぐって―和田春樹氏·上野千鶴子氏の議論を中心に=77
むすびにかえて―日本の法的責任への道=81
2. 韓国挺対協運動と被害女性―なぜ「国民基金」に反対したのか / 尹美香=86
はじめに=86
(1) 挺対協運動の始まり―なぜ一九九〇年なのか=87
(2) 被害者と活動家=89
(3) 被害者と挺対協=92
(4) 「国民基金」と挺対協=98
おわりに=103
3. 「国民基金」と反対運動の歷史的経緯 / 鈴木裕子=107
はじめに=107
(1) 「慰安婦」問題の本質と社会的争点化=108
(2) 「国民基金」の発足と「慰安婦」問題の歪曲化=110
(3) 「国民基金」と反対運動=113
〔コラム〕 東京裁判·BC級戦犯裁判と日本政府の責任 / 林博史=125
4. 被害者不在の「和解論」を批判する / 西野瑠美子=129
はじめに=129
(1) 持ち上げられる「和解論」=131
(2) 国際社会の決議を批判する「和解論」=135
(3) 「和解論」の誤解―国民基金は「実は国家補償」?=136
(4) 謝罪·補償とは何か?=139
おわりに=140
第III部 「慰安婦」問題の解決―今何が必要か
1. なぜ多くの若者は「慰安婦」問題を縁遠く感じるのか―若者の現在を読み解く / 中西新太郎=146
(1) 自己主張の回路を奪われた若者たち=146
(2) 自閉的歷史認識と歷史感覚の喪失=148
(3) 歷史像を転覆する解放感=149
(4) アジアの経済成長と日本経済の衰退のなかで=150
(5) ネット右翼―孤立した人びとの集合=152
(6) テンションの一致=153
(7) 若者のなかの「カースト」=154
(8) 在特会はなぜ暴言をはくのか―その背後にあるもの=156
(9) 「慰安婦」問題への理解を深めるために―今何が必要か=157
2. 教科書問題と右翼の動向 / 俵義文=162
(1) 第三次教科書攻撃は「慰安婦」問題から始まった=162
(2) 一九九六年からの第三次教科書攻撃―「慰安婦」記述削除の策動=165
(3) 中学教科書の「慰安婦」記述はどのようにして削除されたか=168
(4) 安倍政権の教育政策で教科書はどうなるか=172
〔コラム〕 忘却に抵抗するドイツの歷史教育·記憶の文化 / 岡裕人=179
3. 「慰安婦」問題の解決に何が必要か―被害者の声から考える / 梁澄子=183
(1) アジア女性基金と宋神道さん=184
(2) 宋神道さんの思い=188
(3) 日本軍「慰安婦」問題解決をめぐる新たな動き, 二〇一一年=192
(4) 「現実的な解決案」は「被害者が受け入れられる案」=194
〔コラム〕 日本軍「慰安婦」問題解決のためのもう一つの国連人権制度·UPR / 安善美=198
4. 日韓請求権協定と「慰安婦」問題 / 吉澤文寿=200
(1) 問題の所在=200
(2) 日韓会談における「慰安婦」問題=201
(3) 日韓会談文書公開にともなう「慰安婦」問題の展開=206
(4) 今後の展望=210
5. 世界史のなかの植民地責任と「慰安婦」問題 / 永原陽子=215
(1) 「人道に対する罪」の成立から「植民地責任」へ=215
(2) 「植民地責任」をめぐる謝罪と補償=222
むすび=231
あとがき=235
資料1. 「慰安婦」問題に関する重要な談話, 決議等=1
資料2. 各国別「慰安婦」連行状況=9
資料3. 「慰安婦」問題解決運動関連年表=20
資料4. 「慰安婦」問題を知るための文献·DVDガイド=29