本稿では平成時代後期のテレビ飲料広告でヒットした商品を対象に広告文句などに現れる広告表現技法、広告表現要素、広告伝達パターン、談話戦略および談話構造について分析考察した。
平成時代後期には飲料の成分と機能、そして商品のパッケージ変化ともに健康と美容に対する消費者のニーズに合う広告を制作したと考えられる。また、職場生活および食べ物の相性と関連した既存の固定観念を破る広告要素もあった。これらの広告には反復、強調、質問法, 文末表現などの多様な表現が使われ、新しい商品の情報に対する提供ではストレートで核心伝達パターンで事実的な情報の核心だけを伝達する技法をストーリーテリング要素を活用して提供していた。そして、ほとんどの飲料類の広告で有名モデルの起用が行われたという点も特徴と見られる。
談話戦略および談話構造では、広告の導入部に社名や製品名をあらかじめ紹介したり、質問法を利用して注意喚起および好奇心を誘発させた。中心部では商品の成分、商品の効果、商品の価格を提示することもあり、視聴者と消費者層の同感誘発および情報共有を図ろうとした。広告の後半部には製品名および企業名が提示されるので、視聴者の商品に対する強い認識を追求したとみられる。これに追加で商品の味をそのまま表出する広告の後半部も見ることができた。