本研究では程度を表す形式の中で「ほど」「だけ」「くらい」「ぐらい」について四つの基準を設定し、考察を行った。その基準は「どのような形式と共起しているのか」と「どのような用法で使用されたのか」と「ある程度の強度を表すのか」と「各形式が使用された文の作用」の四つである。分析した結果「だけ」以外の形式は名詞とよく共起しており、「だけ」は指示詞とよく共起していた。「ほど」意外の形式は主に比喩の用法で使用され、「ほど」は他の形式に比べて例示の用法としてよく使用された。各形式の強度については「ほど」と「だけ」は他の形式よりやや高い強度を表しており、「くらい」はやや低い強度を表した。文の機能を見ると、「ほど」と「だけ」は「聞き手への否定的な働き掛け」の機能をしている場合が多く、「くらい」は「聞き手への否定的な働き掛け」と「聞き手への肯定的な働き掛け」の機能がほぼ同じ比率で使用されていた。「ぐらい」は他の形式とは異なって「聞き手への肯定的な働き掛け」の機能をしている場合が多かった。