本稿は2009 WBCの韓日戦(1-5次戦)と2019 U18 BWCの韓日戦を対象に、国籍と韓日関係を変数として、両国の中継スタイルがどう違うのかをカイ二乗検定を通じて分析した研究である。
2009 WBCの韓日戦、2019 U18 BWCの韓日戦に対し、国籍を変数としてカイ二乗検定を通じて分析した結果、韓国の中継チームの放送スタイルが日本の中継チームの放送スタイルより内集団(In-group)の表出程度が高く、有意味な差があることが分かった。また、韓日関係の良し悪しを変数としてカイ二乗検定を通じて分析した結果、韓国の中継チームの放送スタイルが変わることも分かった。韓日関係が悪いほど内集団の表出程度がさらに強くなるのである。それに対し日本の中継チームは韓日関係の良し悪しによって放送スタイルが変わることはなかった。
このような結果からみて、韓日間コミュニケーションにおいて韓日関係が悪いなかで韓国人のコミュニケーションスタイルは内集団の表出程度が強くなり、一方日本人のコミュニケーション․スタイルに変化がないとしたら、コミュニケーション上のコンフリクトがさらに顕在化する恐がある。これは韓日関係が悪いからではなく、韓国人の内集団の表出程度が強くなるため両国のコミュニケーション․スタイルのギャップがさらに広がることにより起こるコンフリクトであると解釈できる。