This study aims to examine the occurrence of sound changes according to emotional factors in the speech of adjectives of Korean Japanese learners. As a result, learners used mora-insert, long-pitched, abbreviated, and new-pitched additions to express emotion elements. Among the expressions of admiration and neutrality, and dissatisfaction, which are positive and emotional factors, these changes were mainly observed in admiration and surprise, and there were fewer changes or types of dissatisfaction than admiration or surprise.
本稿では韓国人日本語学習者の「い形容詞」発話において感情要素がどのような音の変化を起すのかについて分析している。 その結果、学習者は感情要素を表現するためにモ─ラの挿入、長音化、縮約、新たな音の追加を使っていた。プラス感情要素である「感心」と中立的要素である「驚き」、マイナス感情要素である「不満」の表現の中で、音の変化現象が発生していたのは「感心」と「驚き」であり、「不満」を表現する場合には「感心」や「驚き」より変化幅や種類が少なかった。 発話持続時間面で長音化現象の発生位置は 4モ─ラ語の場合なら 4モ─ラの区間、3モ─ラ語の場合には 2モ─ラの区間である。感情要素基準では「感心」と「驚き」は長音化の位置や持続時間面で類似したパターンを活用しているが、「不満」の表現は長音化の発生位置も他の感情とは異なり、使用を抑制するなどの方式を使っていた。ピッチの変動ではアクセントパターンの影響がある程度影響しているものの、性別や感情要素による変化が観察された。女性の発話の方が男性より変動幅が大きく、「不満」発話よりも「感心」や「驚き」の変動幅が大きく現れているところから感情表現のためにピッチパターンの調整を活用していることが分かった。 なお、発話強度も感情要素が「感心」や「驚き」である場合よりは「不満」の場合の変動幅が小さかった。このような現象などにより、マイナス要素の表現では音の強度を弱くする方法を使っていると考えられる。