はじめに 本書の構成序 章 新しい貨幣論の構築に向けて 第1節 貨幣の矛盾 第2節 貨幣に関する循環論法と神秘論 第3節 貨幣と貨幣論の多様性 第4節 貨幣という用語第1部 貨幣の基本第1章 貨幣の機能と貨幣媒体 第1節 貨幣の機能と保有動機 第2節 決済機能の重要性 第3節 決済機能と価値保蔵機能 第4節 媒体としての貨幣 第5節 貨幣発行益 第6節 名目価値の不変性要件第2章 貨幣のガバナンス 第1節 ガバナンスとは 第2節 貨幣は誰のものか 第3節 社会的共通財としての貨幣 第4節 法貨レジームの問題 第5節 貨幣媒体にかかわるガバナンス 第6節 貨幣の創出,流通に関するガバナンス第3章 現代日本の貨幣構造 第1節 現代日本の貨幣体系 第2節 決済 第3節 預金通貨の重要性 第4節 信用創造と財政マネー 第5節 預金通貨の回収 第6節 キャッシュレス決済 第7節 暗号資産通貨 第8節 法貨の階層構造とCBPB貨幣供給システム第2部 貨幣の始まりと終わり第4章 貨幣の始まりと伝承 第1節 原始貨幣 第2節 物々交換起源説と信用起源説 第3節 貨幣起源論と貨幣の本質 第4節 社会的慣習としての貨幣 第5節 ヨーロッパにおける貨幣の起源と伝播 第6節 古代から中世の中国における貨幣の展開 第7節 和同開珎から皇朝十二銭へ 第8節 江戸幕府と明治政府の貨幣刷新 第9節 中国人民元の成立 第10節 合衆国ドルの創設 第11節 大恐慌時に出現したスタンプ貨幣 第12節 捕虜収容所のタバコマネー 第13節 ビットコインの創設第5章 貨幣の終わり 第1節 皇朝十二銭体制の崩壊 第2節 金融恐慌 第3節 新円切替 第4節 レンテンマルクの奇跡 第5節 アッシニア 第6節 貨幣供給の「過少」と「過大」第6章 貨幣のイデア 第1節 記号としての貨幣 第2節 indexのリアリティ 第3節 「二重の一致」の解消 第4節 コミュニケーション・ツールとしての貨幣 第5節 慣習から規範へ 第6節 集合的志向性と貨幣 第7節 貨幣性の獲得とパーコレーション 第8節 貨幣性の獲得と自己拘束性第3部 よりよい貨幣ガバナンスを目指して第7章 資本主義批判と貨幣 第1節 資本主義見直し論の台頭 第2節 資本主義見直し論と貨幣 第3節 貨幣や利子に対する嫌悪感の系譜 第4節 古代法典と宗教の中の貨幣 第5節 マルクスらの貨幣への嫌悪感 第6節 ゲゼルの「減価する貨幣」 第7節 「減価する貨幣」の実践 第8節 「減価する貨幣」の思想的系譜 第9節 「減価する貨幣」から地域通貨へ 第10節 貨幣に対する嫌悪感と減価する貨幣 第11節 利子に対する嫌悪感と減価する貨幣第8章 貨幣政策を巡る論争史 第1節 貨幣政策から金融政策へ,そして貨幣政策へ 第2節 荻原重秀と新井白石の争い 第3節 ロー・カンティロン論争 第4節 英国の「通貨論争」と中央銀行論 第5節 ケインジアンvsマネタリストの対立第9章 貨幣ガバナンスの設計 第1節 ビットコインのガバナンス 第2節 MMTの想定する貨幣ガバナンス 第3節 MMTと政府貨幣 第4節 中央銀行の金融市場調節とMMT 第5節 MMTと信用創造 第6節 財政マネー創出の限界 第7節 CBPB貨幣供給システムのガバナンス 第8節 CBPB貨幣供給システムと「銀行監督」 第9節 CBDC(中央銀行デジタル通貨)のガバナンス第10章 金融政策 第1節 過去半世紀の金融政策運営のレビュー 第2節 異次元金融緩和の効果 第3節 貨幣価値とは何か 第4節 資産価格の重要性 第5節 資産価格とCPI 第6節 資産価格を考慮した政策ルール終 章 望ましい貨幣ガバナンスとレジーム 第1節 民主主義社会における中央銀行の位置付け 第2節 フィデュシアリー・デューティ 第3節 専門性 第4節 日本銀行の機能 第5節 CBPB貨幣供給システムと財政マネーの統合管理 第6節 P2P型貨幣の将来性 第7節 P2P型貨幣の信用創造 第8節 ハイブリッド型貨幣システム あとがき 注 文献表 索 引