序章 学力格差のメカニズム解明に向けて1.学力格差という社会問題2.学力格差の先行研究3.学力格差が維持・拡大するのはなぜか4.本書の構成1章 マタイ効果を学力格差研究に援用する1.問題設定−学力格差研究における理論的関心の欠如2.メカニズムという概念3.先行研究の課題と解決方策4.マタイ効果の概念整理5.マタイ効果を学力格差の文脈へ6.まとめと考察2章 双方向因果による格差の拡大メカニズム1.問題設定−学力が先か,学習意欲が先か2.理論枠組みの整理3.分析手法4.データと変数5.分析結果−学力と学習意欲の双方向因果6.自尊感情に着目した分析7.まとめと考察3章 悪循環に苦しむのは誰か1.問題設定−成績が下がると学習を諦めるか2.学習時間の先行研究3.リサーチクエスチョンと理論的根拠4.分析手法5.データと変数6.分析結果−学力(成績)低下と学習時間の変化の関係7.進学意欲に着目した分析8.まとめと考察4章 「二つの平等」を目指す学校文化1.問題設定−実質的平等の概念を深掘りする2.平等概念の理論的検討3.調査概要と対象校の位置づけ4.A中の教育理念と格差・貧困問題への認識5.低学力層への着目と「下に手厚い」実践6.集団づくりの理念と実際7.まとめと考察5章 なぜ学力格差は是正すべきなのか1.問題設定−学力格差の規範的問い2.何の平等か−なぜ学力は重要なのか3.なぜ平等でなければならないか−何のために学力格差を是正するか4.まとめと考察終章 学力格差とマタイ効果1.なぜ学力格差は維持・拡大するのか2.学力格差研究におけるマタイ効果の含意3.効果のある学校研究の展開に向けて4.いかにして学力格差の拡大を食い止めるか5.今後の課題と展望