第2版へのまえがきはじめに第1部 人を対象とする医学・生命科学研究に関する倫理の基礎知識レクチャー1 人を対象とする医学・生命科学の歴史と「研究倫理」の誕生(神里彩子) 1.1 人を対象とする研究の歴史 1.2 「研究倫理」の誕生 1.3 アメリカにおける人を対象とする研究 1.4 アメリカでの研究倫理に関する規制の整備 1.5 国際的な研究倫理に関する規範衽衲ヘルシンキ宣言 1.6 まとめコラム1 731部隊(神里彩子)レクチャー2 人の身体に由来する試料を用いた研究の倫理(井上悠輔) 2.1 死後も生きつづける細胞 2.2 「生きた人」に由来するということ 2.3 日本の「人体」法規 2.4 個人の身体が「サンプル」になるまで 2.5 試料の用途の広がりと提供者からの同意取得 2.6 個人に関する重大な情報が得られた場合 2.7 ほかの研究者に対する責任 2.8 まとめコラム2 脳画像から偶然わかった重要な所見の取り扱い(高島響子)レクチャー3 インフォームド・コンセント(高島響子) 3.1 インフォームド・コンセントとは 3.2 インフォームド・コンセントの成立要件と取得方法 3.3 インフォームド・コンセント――応用編 3.4 まとめコラム3 卵子の研究利用とスキャンダル(洪 賢秀)レクチャー4 日本における倫理ルールの枠組み(神里彩子) 4.1 人を対象とする研究の枠組み 4.2 日本における臨床研究に関する倫理的規制の経緯と特徴 4.3 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の概要 4.4 まとめコラム4 病院臨床倫理委員会(楠瀬まゆみ)第2部 研究領域特有の倫理レクチャー5 ヒトゲノム解析研究の倫理(武藤香織) 5.1 人のゲノムを解読するという緊張感 5.2 「知らないでいる権利」と「知る権利」 5.3 「ヒトゲノムは、人類の遺産である」 5.4 日本におけるヒトゲノム解析研究のルール 5.5 ゲノム解析を伴う臨床試験の実施について 5.6 まとめコラム5 患者を対象としたインフォームド・コンセントの実践(洪 賢秀)レクチャー6 調査研究に伴う倫理的配慮(武藤香織) 6.1 疫学研究に関するガイドライン 6.2 公衆衛生上の危険が迫っている状態での研究 6.3 疾病登録について 6.4 研究目的を告げると研究が成り立たない事例――心理学・行動科学の研究 6.5 調査研究における被害の特徴 6.6 研究対象者を傷つけないためにコラム6 臨床試験・治験に関する患者の語り(吉田幸恵)レクチャー7 臨床試験を倫理的に行うために(丸 祐一) 7.1 臨床試験はなぜ必要なのか 7.2 臨床試験のプロセスと倫理 7.3 倫理的に許容できるとはどういうことか――リスクとベネフィットを考える 7.4 臨床試験が終わったあとの倫理――試験結果をどのように発表するか 7.5 まとめコラム7 体内植え込み型医療機器の臨床試験をめぐる倫理的課題(中田はる佳)レクチャー8 幹細胞研究の倫理(高嶋佳代) 8.1 幹細胞とは 8.2 幹細胞研究における倫理的課題とルール 8.3 まとめコラム8 動物を利用した臓器の作製はどこまで許される?(楠瀬まゆみ)レクチャー9 脳神経科学研究の倫理(礒部太一) 9.1 ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)とは 9.2 脳神経科学の倫理的・社会的問題――BMIを中心として 9.3 まとめコラム9 科学技術社会論と市民参加型ワークショップ(礒部太一)レクチャー10 動物実験の倫理(神里彩子) 10.1 西欧における実験動物保護の思想の始まり 10.2 3Rsの原則 10.3 日本における動物保護のルール 10.4 欧米における動物実験のルール 10.5 まとめ第3部 研究者としての倫理レクチャー11 実験終了後の倫理(高島響子) 11.1 実験終了後のデータの取り扱い 11.2 研究成果の他の研究者との共有 11.3 研究成果の研究対象者・一般社会との共有 11.4 知的財産の保護と活用 11.5 まとめコラム10 遺伝子検査ビジネス(武藤香織)レクチャー12 研究発表の倫理と不正(井上悠輔、高島響子) 12.1 CUDOSの原理とリアル・サイエンス 12.2 典型的な不正 12.3 誠実な研究活動中の間違いとの区別 12.4 その他の逸脱行為 12.5 不正の防止と対応 12.6 まとめコラム11 「STAP細胞」と研究不正(井上悠輔)レクチャー13 医学研究の信頼性と利益相反(井上悠輔) 13.1 研究資金と契約 13.2 主な問題事例 13.3 利益相反とは 13.4 利益相反の制度的な管理 13.5 利益相反の自主的な認識 13.6 まとめコラム12 ディオバン事案と研究者の責任(井上悠輔)関連する文献・ウェブサイト