見出し文とは本来、本文の内容に関する概要を非常に短い文で表したものであり、受信側にとっては本文を閲覧せずとも内容を理解する助けとなる。また、発信側にとっては、内容に関心を抱く受信側を本文閲覧へ誘導することができる。本稿では、カタカナ語「ブレイク」について、雑誌記事見出しに対する量的調査の結果を踏まえ、BCCWJを対象に、次の点について検討した。 1)「ブレイク」の対象にはどのような傾向が認められるか。 2)見出し文の文脈構成や言い回しに傾向があるか。あるならばどのようなものか。 見出しとBCCWJの比較調査の結果は次の通りである。 1) 見出し文では、メディアに登場し芸能活動を行う人物が「ブレイク」の対象となりやすい。一方、本文中では、人物に加え、「商品」が対象となる傾向も見られる。 2) ①両者とも、「ブレイク」と関連の高い語として「大」「~中」があり、「大ブレイク」「ブレイク中」という言い回しが多く見られる。②見出し文では「ブレイク以前」の状態であることを表わす語も関連が高く、「これからブレイクする」という文脈を作りやすい。しかし、本文中(=BCCWJ)ではこの傾向が認められない。 なお、用例に関し、雑誌記事見出しコーパスから得られた数とBCCWJから得られた数には大きな差があった。