本稿は、1960年代に?表された日本と韓?の女性作家の作品、『三匹の 蟹』と『あるお出かけ』を中心に、結婚して主婦の役割を?う女性たちの生き方から生じるうつ病や家族との葛藤などに焦点を?てて考察を試みた。?作品のヒロインたちは、互いに家庭の中で孤立しており、家族との疎通はかなり困難な?況に置かれている。そのため、彼女たちは、家庭の外に息のできる場所を求め、家出をするという同じ行動パタンを見せる。これを小倉は、?主婦のダブルバインド(二重拘束)?と見て、その原因を分析している。その?に基づいて考察した結果、主婦はほとんど個人としての生き方しか選?できないゆえに、自我を演じる生き方を?いられていることが判明した。主婦の葛藤は、セクシュアリティの問題にさしかかるとさらに?度を?す。しかし結論は??に分かれる。日本の女性は、多くの男性と自由に性的交?を持ちつつ、ロマンチック?ラブに基づいた一夫一婦制結婚に疑問を投げかけるが、韓?の女性はかえって少年との淡い?を求める。つまり、ロマンチック?ラブにすがるといった設定で、年の差を越えた?を提示し斬新さを見せるものの、?行できず、一夫一婦制結婚に安住するというごく近代的な結論にとどまっている。